アトリエ探訪記-6
Sää
大森久美子さん
植物で染めて服を作り届ける、大人服と子ども服のブランド”Sää(サア)”。優しいけれど、眼に留まる存在感のある色と、肌触りの良い素材。毎日着たくなるような日々に寄り添う服を作っています。
ブランドを運営しているのは大学在学中から、服が好きでアパレルメーカーで販売員として働いたのち12年間、メーカーの企画職として、ブランドの立ち上げなど服作りとブランド運営に携わってきた大森久美子さん。結婚を機に長野県に移住し、今は自宅近くのアトリエで、自分がデザインした服を注文が入ってから自らの手で縫製し、植物を原料にした染料で染めてお届けするというスタイルでブランドを運営しています。今回は3月の初め、大雪の日に長野にあるアトリエで伺ったお話しです。
- ラボのような素敵なアトリエですね!お住まいからは近いんですか?
車で20分ぐらいかかるので、すごく近い訳ではないのですが、程よい距離感です。空き家バンクとかでずっとアトリエを探していて、たまたま見つかったところで。古民家に住む大家さんの離れのような感じで、以前は陶芸家の方が使われていたそうです。まだ窯が残っているんですが、すでに整った場所だったので、そこに棚や作業に使う道具などを持ち込んでアトリエにしたという感じです。
- 植物染めというから、もっとナチュラルな雰囲気をイメージしていたのですが、とてもかっこいい場所ですね。長野に住んでからはどのくらいになりますか?
結婚してから夫の故郷に移住したので、今年で12年目になりますね。あっという間でした。子どもも産まれて、東京で仕事をしていた時とは生活が全く変わりました。
- そうですよね。自然が近くて、憧れるような場所です。染色の道具なども並んでいますが、普段はここで、大森さんが、一着ずつ縫製して、それを染めて全部の作業をお一人でしているんですか?
はい、基本はお客様がデザインを選んでオーダーをいただいてから、ここで縫製して染めて乾かして、お届けする作業までやっています。デザインによっては工場で縫製してもらっているものもあるのですが、染める作業は全てここで自分で行っているので、イベントの前などまとめて準備する時はもう大変なことになっていて(笑)ちゃんと当日までに乾くかなとか、ハラハラすることもたくさんあります。季節によって気温や湿度も変わるので、思うように進まないことも多くて。あとはごく稀にですがここにお客様が直接来てくださって、サンプルをみて注文をしてくださることもあります。
- 全てここで完結するなんて、小さな工場のようですね!Sääを始めたのはいつからですか?
2022年の7月にサイトを立ち上げて、それと同時にオンラインショップも始めたので、もうすぐ2年です。その後、展示をしてお披露目という形で実際にお客様に手に取っていただいたのが2022年の秋でした。
- そうですよね。自然が近くて、憧れるような場所です。染色の道具なども並んでいますが、普段はここで大森さんが、一着ずつ縫製してそれを染めるという全部の作業をお一人でしているんですか?
はい、基本はお客様がデザインを選んでオーダーをいただいてから、ここで縫製して染めて乾かして、お届けする作業までやっています。デザインによっては工場で縫製してもらっているものもあるのですが、染める作業は全てここで自分で行っています。イベントの前などまとめて準備する時はもう大変なことになっていて(笑)ちゃんと当日までに乾くかなとか、ハラハラすることもたくさんあります。季節によって気温や湿度も変わるので、思うように進まないことも多くて。あとはごく稀にですがここにお客様が直接来てくださって、サンプルをみて注文をしてくださることもあります。
- 全てがここで完結するなんて、小さな工場のようですね!Sääを始めたのはいつからですか?
2022年の7月にサイトを立ち上げて、それと同時にオンラインショップも始めたので、もうすぐ2年です。その後、展示をしてお披露目という形で実際にお客様に手に取っていただいたのが2022年の秋でした。
- まだ始まったばかりなのに、スタイルが確立されている感じがします。自分のブランドを持ちたいということはいつ頃から考えていたのですか?
具体的に考え始めたのは2人目の子どもを出産してからです。1人目の出産の後はそれまで働いていた会社に復職して、東京と長野を行き来しながら生活していたんです。でも2人目を出産した後にもその生活を続けることは難しく、会社に勤めることを一度辞めました。次にやるのであれば自分のブランドをやりたいと思っていたので、2人目を出産後すぐにコンセプトを練り始めました。
最初は洋服に拘っていたわけではないのですが、色々考えているうちにやっぱり服が好きだな、と気が付いて洋服のブランドにすることにしました。
会社にいるときは、特別の日のための服をデザインしていたのですが、長野に住むようになって生活も、日々の中で感じることも変化して、自分が自然体で着られるものに心が惹かれるようになってきて・・・自然の営みや暮らしの中に寄り添うものを考えていく中で、「染め」と「生活に根付く服」「大人も子どもも」というのがものづくりのテーマになりました。
- それがSääの始まりなんですね。真っ白な服を最初に作って、そこから植物染めをするというのもその時に決めたんですか?
はい、もともと洋服を作る上で「色」を取り入れるということがとても好きで、色を表現するのはとても楽しそうだなと、以前から染めにも興味があったんです。でも実際にやったことはなかったので、ブランドを始めるためにまずは染色の勉強を始めました。勉強を始めると、材料は同じでも温度や材料の量などで様々な色を表現できることがとても面白くて。それに、使う材料はよもぎなど近くに生えている草花を使うこともあるんですが、東京ではないこの土地ならではの空気感が伝えられるかなと思っています。
環境への負荷ももちろん少ないですし、着ているうちに色が褪せてきたり、気分を変えたくなった時には染め直しをすることができるんです。一着を大切に、長く愛用できる服を届けたいという自分の気持ちにもフィットするなと思っています。
- Sääの服は色がまず優しくて綺麗な色が目に入りますもんね。購入したブランドに頼んで染め直しが頼めるというのも購入者としてはとても嬉しいです。それも大森さんがこのアトリエで自らの手で染めているからできることですよね。
そうですね。お客様とお話ししながら、好きな染め具合に直すことができるのは、自分で染色ができる利点だなと思います。最初に白い状態で服を買って、その後に色に染めるというふうにすることもできるんですよ。
- それがSääの始まりなんですね。真っ白な服を最初に作って、そこから植物染めをするというのもその時に決めたんですか?
はい、もともと洋服を作る上で「色」を取り入れるということがとても好きで、色を表現するのはとても楽しそうだなと、以前から染めにも興味があったんです。でも実際にやったことはなかったので、ブランドを始めるためにまずは染色の勉強を始めました。
勉強を始めると、材料は同じでも温度や材料の量などで様々な色を表現できることがとても面白くて。それに、使う材料はよもぎなど近くに生えている草花を使うこともあるんですが、東京ではないこの土地ならではの空気感が伝えられるかなと思っています。環境への負荷ももちろん少ないですし、着ているうちに色が褪せてきたり、気分を変えたくなった時には染め直しをすることができるんです。一着を大切に、長く愛用できる服を届けたいという自分の気持ちにもフィットするなと思っています。
- Sääの服は色がまず優しくて綺麗な色が目に入りますもんね。購入したブランドに頼んで染め直しが頼めるというのも購入者としてはとても嬉しいです。それも大森さんがこのアトリエで自らの手で染めているからできることですよね。
そうですね。お客様とお話ししながら、好きな染め具合に直すことができるのは、自分で染色ができる利点だなと思います。最初に白い状態で服を買って、その後に色に染めるというふうにすることもできるんですよ。
- それは何度も楽しめて嬉しいですね。縫製もご自身でされていると思うのですが、縫い物も得意だったのですか?
縫い物は、実は今までは本当に趣味程度でしかやってこなかったので最初は自信がなかったんです。でも小規模で無理なく生産していくことを考えたら、全部の形を工場で生産するのは難しくて、自分で縫ってみよう!と挑戦してみることにしました。
以前は、洋服のデザインをして工場に指示を出すというのが仕事だったので、ものを作っているという実感があまりなかったんです。私は服飾の学校を卒業している訳ではないので、そのことが少しコンプレックスでもありました。Sääをはじめるために、自分で縫うことも練習して染色を学んで、ようやくものづくりをしているという感覚を得ることができていて、自分で一つ一つ理解しながら形にしていきたいという気持ちがあったのかもしれないです。
最小限のところから形になって広がっていくことも、会社で働いている時とは違う面白さを感じています。
- 一つ一つ新しいことを学んで身につけていっているんですね!ブランドを始めて新しい景色が見えているような感じですね。
そうですね。この歳になってもまだまだ学べることがあるんだなと、幸せなことだなと思っています。
植物染めは自然と向き合うことでもあるので、同じ色を出したくても、その年の植物の具合によって変化してしまうし、気温や湿度など日々の環境からもたくさん影響を受けます。思うようにできない!と悩んだこともありましたが、逆にそのおかげで気持ちもおおらかになれたというか、自分で全部をコントロールすることができないところも含めて面白いんですよね。
- ものづくりが暮らしと繋がっていて、ブランドを運営することで、人生が豊かになっていっているのですね。すごく素敵です。
MKiMPでは5月11日12日のイベントと、オンラインで受注を承りますが、他に実際に商品を見れる場所はありますか?
全国のセレクトショップさんやライフスタイルショップさんなどでPOP-UPの予定があります。(お知らせはinstagramでアップ予定)
今は子育ても真っ只中で、ペースはゆっくりではあるのですが、少しずつ直接見ていただける場所を増やせたらなと考えています。東京でのポップアップも久しぶりなので、色々な方に会えたら嬉しいです。